一人でいくつもの会社を保有している方がいるけれど

もう数年以上前ですが、とある会合でお会いした経営者とのお話で “ 会社を3つ持っている。” ということを聞きました。

(あくまでもここでは、一人社長が、小規模業務を行う複数社を保有することにメリットがあるのかについて、書いています。)

 

その方はコンサルタントということで本も何冊か出し、講演も多数こなしている方で、保有している会社は従業員ゼロの一人社長の会社のようでした。

 

会社を3社(業務内容がどう違うのかは聞きませんでしたが)持っているということをどちらかというと “ 凄いでしょ “という意味で仰っているように感じたのですが、違和感が先に立ちました。

 

何故かというとまっとうな経営者の方なら合点がいくと思うのですが、会社を複数持たなければいけない利点が分からないのです。

(医療法人などが法律で業務内容を規制されている場合は、別会社を設立するのにメリットがあります。)

 

恐らくその方は、中小企業(資本金1億円以下の法人)の課税所得の800万円以下の税率が通常の23.%から優遇されて19%(現在は15%)になることを利用して、お得感をアピールしたのかも知れません。(本当のことは分かりませんが・・・)

 

単純計算すると3社×800万円=2400万円までは低い税率が適用されますが、1社あたり800万円を超えると当然のことながら税率が高くなります。

 

しかし、800万円という税率の壁を意識して経営することが会社の業績にプラスに働くのか疑問です。

 

もしくは800万円以上の稼ぎを想定しておらず、または超えないようにコントロールしているのかもしれません。(一人社長なら可能ではありますが)

 

 

税額は確かに低いほうが良いのは異論がないのですが、見ている方向を間違えると会社が傾きます。

 

そもそも何のために経営をしているのか。

 

自社の製品、自身のコンサルを世に広め、人の役に立ち、そのうえで報酬を頂く。

社会の役に立ち、自分も豊かになるために創業したのだと思います。

 

使うエネルギーの量を「 税金を安くするため > 経営 」にしてしまうと確かに税金は安くなるのでしょうが、もっと大切な会社の資金繰りや経営成績が悪化してしまいます。

 

また、会社を持っていれば、税務署、都道府県、市、社会保険事務所などから郵送されてくる書類は相当の数になりますが、それが3倍になるなんて僕は考えただけでも嫌になります。

 

領収書も会社ごとに振り分けないといけないですが、厳密に会社の業務に沿って領収書を振り分けるのは大変です。

 

この打ち合わせは「どっちの会社のもの?」と逐一悩んでしまうでしょう。

 

 

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京橋トレジャリー税理士事務所は日本が元気になるように、すべてのクライアントさまが成長することを支援していきます!!

 

”全てのよきことが次から次へと、あなたにやってきますように。”