仮想通貨(ビットコイン)の確定申告についてパターン別に考えてみた

 

昨年末から今年の年初には、急激な価格の高騰を見せたビットコイン。
メディアでもビットコイン等の仮想通貨で大儲けした人を「億り人」と呼び、社会の注目を浴びました。

 

仮想通貨の代表格であるビットコインの本日(H30.10.7)の価格は、¥749,620 で、昨年末から年初にかけての200万円以上の高値から大きく値を崩しています。

 

大きく値が下がったからといっても、将来の上昇を見込んで保有されている方、飲食店での支払などを予定して保有されている方もいらっしゃるかと思います。

 

また、チャートの動きを上手く捉えて、ビットコインの証拠金取引で利益を伸ばしている相場巧者の方もいらっしゃるでしょう。

 

そこで今日は、珍しく?、税金の話を書きたいと思います。

 

 

仮想通貨を売却した場合の所得金額は?

 

仮想通貨を売却した場合①

 

8月14日 3,350,000円で5ビットコインを購入した。

9月4日  1ビットコインを810.000円で売却した。

810,000円―(3.350.000÷5BTC)= 140.000円

 

つまり、この場合のビットコインの売却で得た所得金額は140,000となります。

 

仮想通貨を売却した場合②

 

上記では、キリよく1BTCを売却した場合を想定しましたが、ビットコインは単価が高いので1BTCごとに売却するばかりではないでしょう。

 

そこで②では他の条件は同じとして、0.2BTCを売却した場合についても計算してみたいと思います。

 

8月14日 3,350,000円で5ビットコインを購入した。

9月4日  0.2ビットコインを162,000円で売却した。

162,000円-(3.350.000÷5BTC)×0.2BTC= 28.000円

 

この場合の所得金額は28.000円となります。

つまり、仮想通貨の売却価額とその取得価額の差額が所得となるわけです。

 

仮想通貨で商品を購入した場合の課税はどうなる?

 

 

僕は仮想通貨で商品を購入したり、飲食店での支払で仮想通貨を使用したりといった経験はありませんが、今後仮想通貨の普及に伴い、その用途がますます増えることも考えられます。

 

そこで、仮想通貨で商品を購入した場合を想定してみます。

 

8月14日 3,350,000円で5ビットコインを購入した。

10月1日  75,000円の商品を0.1ビットコインで購入した。

75,000―(3.350.000÷5BTC)×0.1BTC= 8.000円

 

商品の購入価額とビットコインの取得価額との差額が、所得となるわけです。

 

この場合、75.000円の商品を買うために0.1ビットコインを対価として支払った訳ですから、0.1ビットコインの時価が75,000円と見なされる訳です。ビットコインに含まれている含み益が商品購入時点で実現したとの考えに基づいている訳です。

 

 

仮想通貨取引から生じた利益は、原則として「雑所得」

 

 

その他、仮想通貨と仮想通貨の交換や仮想通貨のマイニング、仮想通貨の証拠金取引などにより所得が発生することも考えられます。

 

 

 

仮想通貨の取引、使用などにより生じた所得は原則として、「雑所得」として扱われます。

 

 

(但し、事業所得者が事業用資産として仮想通貨を保有し、決済手段として使用したなどの場合、その使用から生じた損益は事業所得として扱われます。また、仮想通貨取引による収入で生計を立てていることが客観的に明らかな場合、事業所得となります。)

 

 

雑所得ならではの注意点があるので、気を付けましょう

 

 

☑ ビットコインの証拠金取引は、総合課税ですよー

 

 

また、ビットコインの証拠金取引は申告分離課税の適用はなく、総合課税の適用となります。

 

同じ証拠金取引でも外国為替証拠金取引(FX取引)は、申告分離課税が適用されますが、ビットコインの証拠金取引は分離課税が適用されず、他の所得と合算されるのが大きな違いです。

 

例えば一般的な額の給与所得がある場合、その所得と仮想通貨により得た所得が合算されて課税されるわけですから、適用される税率が上に移行し(超過累進税率ですよ~)思ったよりも多くの税金を納付する可能性も十分ある訳です。

 

 

 

 

☑ 仮想通貨取引で損失を被っても、損益通算出来ません

 

 

また、仮想通貨取引により雑所得の金額に損失が生じた場合、雑所得以外の所得と通算が出来ませんので、その点にも留意が必要です。

 

つまり、給与所得者が仮想通貨取引で損失を被った場合、給与所得からその損失を差し引くことは出来ません。

 

 

ここ数年で社会的に脚光を浴びてきた仮想通貨ですが、原則的にはその取引により得た所得は雑所得になりますので、雑所得ならではの特性を踏まえて納税の準備をしていただければと思います。

 

 

終わりに

 

 

なお、この記事は国税庁「仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)」(H29.12.1)を参考にしております。

 

仮想通貨取引から生じた所得、税務については、国税庁も関係団体などと緊密に連携し、申告等の環境整備に努めております。

 

実際の申告等につきましては、一人合点せずに専門家に相談することをおススメ致します。

 

どんなビジネスでも同じですが、【稼ぐ⇒納税する⇒また稼ぐ⇒納税する】を繰り返してこそ、現金が積み重なり規模が大きくなって繁栄を享受できるわけです。

 

せっかくリスクをとって得た大切な利益・お金ですから、しっかり申告して、首尾よく締めましょう。

 

儲けた後は、確定申告と納税をお忘れなく!  住民税もね!

 

 

【今日のつぶやき】

 

近所の半野良ネコ、茶色と白のツートンカラー通称「茶シロ」は、我が家の庭(ちょっとしたスペース)で過ごすのがお気に入り。

 

BBQ用に買った木炭が入った段ボールの上が特にお気に入りで、朝目が覚めてカーテンを開くと、茶シロが気持ちよく段ボールの上で寝てるのが見えます。

 

今はまだ寒さは大したことないですが、これから元気が出てくる冬将軍とどう対峙する気でしょうか?