「AI VS 税理士」の飽くなき戦いは、どうなるのか?
少し前にマスコミで騒がれたAIが発達すれば無くなる職業リストに税理士がトップ10に入っていたと記憶しています。
2000年前後にはITの進展により、「商社は役割を終える」、「旅行代理店は無くなる」、「デジタルデバイド(情報格差による経済格差)が顕著になる」と社会不安が増幅していたのを思い出します。
当初の懸念が現実になったものの方が少ないと思っていますが、一部は当たっていると感じます。
■商社は無くなっていないし。。。
商社は日本独特の業態と言われています。「即席めんからロケット」まで何でも商機があれば、その分野に経営資源を投下して利益を上げていきます。
日本の各財閥系グループには商社があり、高い情報収集力と豊富な資金、優秀な人材をフルに生かしビジネスを旨く操っているイメージです。
関係者に聞いた話ですが、某財閥系商社では正味の利回りが9%を超えないと事業に関心を示さないとのことです(真偽は不明ですが、本当なら羨ましい・・・)。
リーマンショック前は資源開発で随分と利益を上げていたのが記憶に新しいです。
もともと商社の仕事は単なる仲介ではなく、事業を選定し、そこにその商社ならではの付加価値、テイストを加えて利益を増大させるので、ITは商社の仕事の効率化をしてくれるものの、決して商社を脅かすものではないのです。
■旅行代理店
いまでも駅構内やショッピングモールでよく見かける旅行代理店。
旅行代理店の業務は航空券の発券、ホテルの予約、パック旅行の主催などがメインですが、国内ならまだしも海外のホテルをネットで予約するのは、普通の人には言語の問題もあり敷居が高いのではないでしょうか。
大学生の若者がバックパッカーで一人旅をするのなら気軽に行き当たりばったりのスリルを楽しむのも良いのですが、30代にもなり社会的責任を感じる人ならば、安全策を取って手堅く国内から予約をしたほうが、気が楽である人も一定数いると思います。(その場合でも、旅行の中途はフリーで、ホテルだけ予約のパターンだと思いますが。)
■では、税理士はどうなのか
税理士がAIに仕事が取られるわけがないと、税理士自身が声高に主張すると逆に誤解されるので書いてこなかったのですが、大晦日でもありますし、将来予想ということで簡単に触れてみたいと思います。
・単なる入力作業はAIにお任せ
これはAIが発達していく中で最も税理士自身が恩恵を受けるところです。
現状でもクラウド会計からデータを取り込んで自動で会計データ作成、記帳するという流れが出来ているのですが、今後はさらに精度が上がり金融取引については殆ど手作業なしで帳簿が作成できると思います。
更には法人の税務申告書でも、機械的に作れる別表は自動で(大まかに)作成するくらいのレベルに到達するのに、そう時間がかからないと見ています。
じゃあ、税理士は何をするの?となりますが、「判断」に注力することになると思います。
その判断とは、この支出は経費になるか否か、という法的なグレーゾーンにある取引を法的解釈によって左右に選り分けるという仕事です。AIがB/S,P/Lや申告書を作成してくれたとしても、それをチェックするヒトが必要になるのです。
そうした知識を持った専門家である税理士の出番がここにあります。
また、当然のことですが、通帳に乗らないお金の流れは、人が直接関与しないと会計データ、税務申告書が作成できないのは言うまでもありません。
■AIはヒトが行う判断を手助けする存在
どんな仕事でもそうなのですが、やるかやらないか、やるとするならAとBのどちらの方法を選択するかというように、ヒトの究極の仕事は判断だと思っています。
AIの発達は、ヒトに判断する時間的余裕を与えてくれるものでなければいけないし、AIはその為の判断材料をヒトに与えるものでなければいけないと思っています。
そして、これは僕の予想なのですが、税務調査が将来は現状よりかなり増えると予想します。
その理由は、敢えて書きません(^^)
■今日のつぶやき
最後の年賀状を投函。
例年よりかなり掃除、家事が捗った年末でした。
拙いブログですが、読んで頂き有難うございます。
それでは皆様、良いお年を!!
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京橋トレジャリー税理士事務所は日本が元気になるように、すべてのクライアントさまが成長することを支援していきます!!
”全てのよきことが次から次へと、あなたにやってきますように。”