「おじいちゃんポケット」贈与で家を買うには注意も必要

日銀の金融緩和による低金利政策を背景として、住宅ローン金利が安いから家を買うには良いタイミングと、マイホーム購入に踏み切った方も多いと思います。その住宅取得額の一部を父母、祖父母といった直系尊属から出してもらった方もいるでしょう。

 

直系尊属(父母、祖父母)・(おじいちゃんポケット)から住宅購入資金の贈与を受けた場合

 

ここでは、直系親族からの贈与を受けて、住宅を購入する際の非課税の要件について(大まかに)書いてみたいと思います。

 

要件は細かいので、ここではざっくりと書いてみますが、贈与をする際には事前に税理士に問い合わせすることをおススメ致します。

 

贈与、相続となると不動産が絡みますので、税負担が重く感じるからです。

 

それでは見ていきましょう。

 

具体的には、直系尊属(父母、祖父母)から住宅購入資金の贈与を受けた場合、(平成28年から平成323月までの贈与では)省エネ住宅が1,200万円、それ以外は700万円を上限として、贈与税が非課税になるルールです。

 

 

(注意点)

・贈与の金額が非課税の範囲内であっても申告する必要があります。

 仮に1000万円贈与され非課税だとしても、申告する必要があるので注意しましょう。

 (ただ、11日から1231日の間で110万円以内であれば、申告をする必要はないでしょう。)

・住宅を購入するものが贈与を受けた年の11日において、20歳以上であること。

贈与を受けた年の年分の所得税に係る合計所得金額が2,000万円以下であること。などな  ど・・・。

 

 

 

 

■贈与された資金の用途は住宅の購入に限定される

 

 

例)2000万円の家を購入するにあたり、おじいちゃんポケットから1000万円の贈与を受けた。

・自己資金1500万円+贈与された資金のうち500万円を住宅の購入にあてた。

・贈与された資金のうち500万円が手元に残った。

 

500万円が住宅を購入した後も残るのでゆとりが出て良いと思いきや、そうはいかないのです。

 

 

贈与された資金1,000万円のうち、住宅購入で使ったのは500万円のみであり、残りの500万円は課税されてしまうからです。

 

あくまでも税金のことを考えるのなら、おじいちゃんから贈与された1000万円はそのまま住宅購入に充てたほうがハッピーではあります。

 

 

■持ち分にも注意が必要

 

 

また、夫(またはその直系尊属)が全額負担して購入したのに、物件の持ち分を安易に夫婦で1/2としたりすると、贈与税の問題が生じてきます。

 

夫が全額負担して購入したのに、妻と1/2ずつの持ち分にすると、妻に贈与したとみなされますので注意が必要です。

 

 

■贈与、相続は税額が多額になりがちなうえ、非課税、控除などの要件は細かく決められています。

 

 

また、ここで書いていない要件などもありますので、分からない点は税理士に聞くなどアクションを起こす前の早めの対応をおススメ致します。

 

 

■今日のつぶやき

 

 

国税庁は11日、201316年の4年分の住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)などで、税金を控除しすぎていた人が最大約14500人いたと発表した。~(省略)~対象者は追加の納税が必要になる可能性があり、所轄の税務署が文書を送付して知らせる。(2018/12/11日本経済新聞 電子版)

 

どうやら、住宅購入にかかる資金の贈与を受けた人が、購入価格のうち贈与された金額の部分まで住宅ローン控除を受けていたようです。

 

少し前の記事ですが気になったので、住宅購入と贈与という観点から書いてみました。

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