めったに褒めない人から褒められると本当に自信がつく

もうかれこれ15年くらい前ですが、再生医療ベンチャーに勤務していました。

 

 

その会社は株式公開(IPO)を目指していて、独自技術を武器に売り上げを伸ばし、再生医療の旗手となるべく前進していたのです。

 

 

そうなると財務・経理の内部管理もしっかりしないとならず、将来のIPOの段階でケチがつかないよう顧問税理士、監査法人ともに細かい会計処理にまで目を配っていました。

 

 

仮にIPOの一歩手前で経理などの内部管理が杜撰(ずさん)だという理由で、IPOが中止になったりしたら、監査法人や顧問税理士も株主から損害賠償が請求される可能性もあったわけです。

 

 

もし顧問税理士のせいで株式公開が延期される、場合によっては株式公開が不可能になるとしたら、途方もない金額を請求されることもあり得る訳です。

 

 

主な株主には社長のほか銀行系のベンチャーキャピタル数社が入っており、顧問税理士も株主の目を意識して、上場企業にも劣らないレベルの経理スキルを会社側に要求したのです。

 

 

また、そうしないとそもそも東京証券取引所の株式公開の審査が通らないという事情もあったと思います。

 

 

僕はその会社で経理・財務担当の責任者として勤務していました。

 

 

当時はなんでそこまで厳密にやらなくてはいけないのか、と怪訝な気持ちになりましたが、同じ税理士目線で振り返ると極めて当たり前の考え方で経理の指導に当たっていたと思います。

 

 

 

この顧問税理士はとても頭の回転が速く、自分の思考の速さに口(舌?)の回転が間に合わない時もあり、言葉が空回りするくらいの早口で話されるのだけが難点でした(笑)

 

 

当時は経理のイロハは勿論、知っていましたが、さすがに上場企業レベルまでのスキルは持っておらず、初めの半年は悩むことが多かったのです。

 

 

自分でいろいろ調べて、それでも分からないと顧問税理士に電話をして疑問を解決するというパターンを地道に繰返して、1年程度で概ね必要なスキルを習得したのでした。

 

 

この顧問税理士は、「妥協することを知らない」、「いい加減という概念がない」、「塩梅(あんばい)という言葉がない」人物で、それはそれは厳しく指導して頂きました(^_^)

 

 

僕とこの顧問税理士はほぼ同年齢で、なまじ年齢が近いことを理由に(本当は理由にもなりませんが)、“面白くないな”などと生意気かつ理不尽な感情を持ったこともありました(ごめんなさいNさん)。

 

 

そして2年程度過ぎたころに、突然こう言われたのです。

 

 

 

 

「岡田さん、あなたはどこに行っても通用しますよ。どんな会社に行ったとしても立派に通用しますよ、それは私が保証します。

 

他の会社にもし行くことになっても、仕事が物足りなくて、もっと仕事ください、もっとやらせてください、ってなりますよ。私が太鼓判を押します」と言われました。

 

 

これには本当に驚きました。あれだけ厳しくいろいろと言ってきた顧問税理士からいきなり、100点満点が出たのですから。。。。

 

 

それまでいろいろとダメ出しもありましたし、ちょっと厳しいお言葉も拝聴しましたが、そこまで僕のことを評価してくれているとは思っていなかったからです。

 

 

と同時に、この出来事は、僕にとって本当に自信になりました。

 

 

何か仕事で分からないことがあったり、壁にぶつかったときは、この言葉を思い出すようにしています。必ずどうにかなると。

 

 

あのN税理士が太鼓判を押してくれたのだから、あの時の税理士さんが認めてくれたのだから出来ない訳がないと自分を鼓舞したり、励ましたりして業務に励むようにしているのです。

 

 

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