ベンチャー企業へ投資するときは、エンジェル税制が適用可能か確認してみましょう。

エンジェルの意味は“天使”ですが、投資の世界ではベンチャー企業に資金を供給し、成長を促す投資家という意味があります。

 

ベンチャー企業であればどこでもエンジェル税制が適用可能かというとそうではありません。

 

投資を考えているベンチャー企業がエンジェル税制の適用対象であるか否か、各都道府県、経済産業省などの公的機関に事前に確認した方が良いと思います。

 

エンジェル税制適用のベンチャー企業へ投資をする投資家に対して、政府は優遇策を講じています。

 

投資した翌年の申告では2つの優遇策から1つをチョイス

 

まず、投資を実行した年の分の申告では次の2点の優遇措置のうち、一つを選択することが出来ます。

 

①投資をする年の所得からベンチャーへの投資額を所得控除できるというもの。

(優遇措置A)

 

②投資した年の株式譲渡益(他の上場株式など)からベンチャーへの投資額を控除できるというもの(優遇措置B)

 

ここでは、①・②の両方を書くと長くなりますので、①の内容について書いてみたいと思います。

 

 

税法上では①の仕組みは、寄附金控除に該当します。

 

寄付金控除は国、地方公共団体をはじめ公益社団法人、公益財団法人など公益性の強い団体への寄付金を所得控除できる制度で、エンジェル税制適用のベンチャー企業は、特定新規中小会社と位置付けられており控除対象となっています。

 

以下、「国税庁タックスアンサーNo.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)」から一部記載。

 

その中に “ 特定新規中小会社により発行される特定新規株式を払込みにより取得した場合の特定新規株式の取得に要した金額のうち一定の金額(1千万円を限度とします。) ” が、所得から控除できる旨記載されています。

 

そして実際の控除額は、

 

 

“ 次のいずれか低い金額-2千円=寄附金控除額

イ その年に支出した特定寄附金の額の合計額

ロ その年の総所得金額等の40%相当額    “

 

となっています。

 

 

ここでいう総所得金額とは、“ 純損失、雑損失、その他各種損失の繰越控除後の総所得金額、特別控除前の分離課税の長(短)期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等に係る配当所得の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額及び退職所得金額の合計額   ”   をいいます。

 

 

投資をした後にはベンチャー企業から書類が届きます

 

エンジェル税制が適用されるベンチャー企業から、出資後、都道府県知事の公印が押された確認書など翌年春の確定申告に必要な書類一式が、投資家のもとへ届けられます。

 

投資家はその資料を基に確定申告をして、所得控除を受けることが出来ます。

 

(税務署に書類自体を提出する可能性もありますので、E-TAX利用者は事前に確認いたしましょう)

 

 

一般的に投資自体のリスクが高いのですが、ベンチャー企業であればそのリスクはさらに高まります(流動性が低いなどのリスク、つまり売買が難しい場合もあるといった)。

 

だからこそ、政府は特定のベンチャー企業への投資促進という観点から、税制面からバックアップしている訳です。

 

税制面の優遇は確かに投資家には嬉しいものですが、何よりもその企業が将来、花を咲かせるか否かが一番の “キモ“ ですよね。

 

企業の目利きが、最も大事なのは言うまでもありません。

 

 

(税務記事の記載に当たっては細心の注意を払い書いておりますが、実際の申告、税務判断に当たっては税理士など専門家のアドバイスを受けることを推奨いたします。投資額が多額になりがちですから^^;)

 

 

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京橋トレジャリー税理士事務所は日本が元気になるように、すべてのクライアントさまが成長することを支援していきます!!

 

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