借金はいけないことは、本当か?「銀行の流儀」を考える
日本では、昔から「借金は悪」という風潮があります。本当にそれは正しいのでしょうか。
かつて(直近だと戦後から高度成長期)、おカネは有限で、貴重なものだからこそ、そうした風潮が広まったと、僕は考えています。
みんなが借金したら、おカネが無くなってしまいますから。
■確かに晴れの日に傘は必要ないけど
銀行は言うまでもなく、預金者から預かったおカネを他者に貸し付けて金利を受け取り利益を上げるビジネスをしています。
従いまして、貸し付けたおカネが焦げ付く、回収できないということは、あってはいけないことなのです。
そうなると銀行は当然、融資してもしっかりと金利と元本を、耳をそろえて返してくれる人、会社に融資したくなります。
具体的には、次の通りです。
・業績の良い会社、安定してキャッシュを積み上げている会社
・会社に担保となる不動産・現預金が潤沢にある
・個人事業者であれば、口座に多額の預金がある、あるいは担保となる不動産を持っている
よく言う「晴れの日に傘を貸す」といわれるパターンですね。
上記のような会社、個人は当面おカネに困ることがない状況です。
確かに、事業経営をしていて、ずっとそういう状況であれば、おカネを借りる必要はないですね。
問題は、ずーっとそうした良い状況が続くか否かなのです。
いざ「思ったほど業績が伸びず、おカネを借りたい」、「急な出費で、運転資金が回りそうにない」、「良い取引先と商談がまとまり、設備投資が必要だけど業績が悪い」となったときに、銀行の対応は渋かったりします。
■銀行の流儀を理解しましょう
それは当然と言えば当然で、「おカネを貸して、しっかり回収するのがビジネス」である銀行からすれば、おカネがない人に融資するのは危険だからです。
簡単に言うと「おカネがある人におカネを貸すのが銀行の流儀」だからです。
この銀行の流儀を理解すれば、会社の選択すべき道は「業績の良いとき(おカネのあるとき)におカネを借りる」となります。
こうして融資を受ければ、会社の口座にはおカネが貯まり、いざというときに会社を守ってくれます。(無駄使いはもってのほかですが)
この会社を守ってくれることへの保険料が、銀行への金利の支払いなのです。
今は、歴史的にも極めてまれな低金利時代です。
こうした異常事態があと10年も続くことは、常識的に考えて・・・ないでしょうね。
ただ、さきほども書いたとおり、ずーっとおカネを借りる必要がないのであれば、
ムリして借金をする必要はないのです。
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