銀行から幾ら?いつまで借りられる?を確認しましょう
事業主・経営者にとって一番の関心事である資金繰りですが、今日は、銀行融資を受けるにあたり、幾ら位を限度に銀行は貸してくれるのかを確認したいと思います。
下記に紹介したものは、銀行が融資の可否を判断する際の一つの目安です。
個人の信用や担保の有無など、諸般の事情に左右されることもありますので、参考ということでお読みいただければと存じます。
■「債務償還年数 10年以内」という考え方
銀行は融資するにあたり、その融資先から融資額を10年以内に返済してもらえるか否かを基準の一つとします。
具体的に次の算式で計算します。
・債務償還年数 = 借入金残高 ÷(税引後利益 + 減価償却費)
この算式で計算された年数が10年以内であれば銀行は融資について前向きに考えますし、10年を超えるようでしたら融資について慎重に考える傾向にあります。
算式を簡単に説明すると、税引後利益とは税金を支払ったのちに残る利益つまり可処分な儲けです。
そして、減価償却費はキャッシュの支出を伴わない経費なので、その分を加算します。
こう計算することで、1年間の事業後の自由なキャッシュフローが計算できます。そのフリーキャッシュフローで借入金残高を割れば、あと何年で借入金が返済できるか計算できるわけです。
銀行サイドから見れば、この年数が10年以内であれば融資について検討しやすくなります。早く返済が完了しますので、その分、安心なわけです。
■既に融資を受けている場合、どのくらい追加で融資をお願いできるのか
上の式について別の言い方をすると「税引後利益 + 減価償却費」の 10倍までは融資できますよと、となります。
例えば、
・(税引後利益500+減価償却80)×10=5,800
この会社に既に2,500の借入金残高があったとしたら、あと3,300の額を融資したとしてもこの会社には余力がある、大丈夫だなと銀行は判断するかもしれません。
ただ、こうした判断材料は一つの目安にしかすぎませんが、銀行サイドはあとどれくらいの融資が可能か否か、こうしたことを参考にしているのです。
■融資額が運転資金の範囲内なら受けやすい
運転資金とは・・・・
・運転資金 =(売上債権 + たな卸資産)− 仕入債務
売上債権とは売掛金や受取手形を言いますが、これは近い将来に現金化されると想定する債権を指します。たな卸資産はこれから売れる予定の商品、製品なのでこれも近い将来に現金化されやすいものです。
一方で、仕入債務ですが、これは売上債権やたな卸資産とは逆に、近い将来に支出される金額を言います。
こうして計算された運転資金に相当する金額が企業内にないと、会社は経費の支払いにも支障をきたしてしまいます。
■まとめ
まず最初に企業が銀行に融資をお願いする場合に参考となるのが、その融資を10年以内に返済できるのかです。
次に金額的なことでいうと「税引後利益 + 減価償却費」の10倍の額から既存の借入金額を差し引いた金額が新規融資可能額と考えられます。
最後に企業や事業主の借入希望額が運転資金の範囲内であれば、更に融資の交渉は前に進むものと考えられます。
このほか、銀行融資については「信用保証協会付き融資」なのか「プロバー」なのかなどの問題もありますが、話が長くなりますので、この記事では省略させていただきました。
■つぶやき
なかなか先の見通せない状況ですが、事業主・経営者の方は、ヒトに頼るのが苦手な方が多いようです。
今は非常時。一人で悩まずに誰か(友人、起業仲間でも、士業、銀行でも)に相談する、相談を通して自分の考えをまとめるといったことを心掛けてほしいと思います。
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