いつか読んでみたい「ブッテン・ブローク家の人びと」に見る、富裕層世代の変遷

学生時代の夏休みには、暇を持て余し本を読むことが多かったです。

 

よく読んでいたのは純文学というよりは、当時人気のあった五木寛之氏、開高健氏など。

 

開高健氏から感じた輝くばかりの才能

 

一度神保町の本屋街で、開高健氏を見たことがありました。

 

数人の仕事関係の人と一緒だったようで声は掛けられなかったですが、オーラというのでしょうか、辺りの邪気を払うような煌めく知性、上品な知の巨人といった雰囲気を感じました。

 

それは本人が威圧的な雰囲気を出しているわけでは決してないのですが、関係者と談笑しながら本棚を指していても、此方に伝わってくる何かとしか言いようがありません。

 

僕は普段、人のオーラとかを感じることのない類の人間ですが、この時は珍しく、輝くばかりの才能を持った人が放つオーラを感じたのです。

 

 

 

開高氏が語った富裕世代の変遷

 

 

もう既に亡くなっていますが、この開高健氏が生前語っていた言葉が脳裏に残っています。

 

それは、トーマス・マンの「ブッテン・ブローク家の人びと」の3世代の生き方を指し、世代のステージごとに人間の生き方がどう変遷していくのかを語っていたのです。

 

 

 

その言葉を要約すると次のようになります。

 

① 人はまず食べていかなければならないので、経済的に裕福になることを目指して努力していく。

 

② 経済的な力を獲得すると、次に向かうのは学問を身に着けることである。

 

③ さらにそれが達成できると、最後に向かうのは芸術である。

 

 

つまり、上の3つのステップを世代ごとに実行していくのが人の生業(なりわい)であると仰っていたのです。

 

人は豊かになると学問を身に着け、その知識を武器にその経済力を維持し、更に富を増やそうとします。

 

そして最後には生きる上では、必須ではないけれど、富がなければ生まれない最高の贅沢である芸術の道に進むというのです。

 

 

そして、開高氏がこうした話をする土台となったのが、トーマス・マンの「ブッテン・ブローク家の人びと」であったのです。

 

僕は残念ながらこの名作を読んだことがないのですが、北ドイツの商家の3代にわたる栄枯盛衰の物語です。

 

 

 

富裕層の方は、子供の教育に関心が高い

 

 

ここからは、税金の話です。

 

相続対策でよく語られるのが生前贈与であるのですが、富裕層の方が気にするのが、子供におカネや財産を渡すと相続対策にはなるが、「仕事をいい加減にするようになるんじゃないか」、「親のカネを当てにして、いい加減な生活をするようになるんじゃないか」といった心配です。

 

財産をしっかりと次世代に残すことは確かに大切なことではあるのですが、それに固執してしまうあまり、子供世代の活力を奪うことにはならないか、という心配なのです。

 

 

 

子供たちがしっかりと経済的に自立できていれば、贈与などで資産を得ても生き方がぶれる可能性はそれほど高くありません。

 

自分でしっかりと稼いでいれば、多少の資産を親から譲られても、生き方がぶれることはありません。

 

では、どうやって経済的に自立できるように子供たちを育てるかですが、しっかりとした教育を受けさせるのが一番だと富裕層の方たちは考えています。

 

開高氏が列挙した②が、それにあたります。

 

■今日のつぶやき

 

最近TVで、卓球のプロリーグ・Tリーグの放映を見ることが多くなってきました。

 

最近は愛ちゃんの次世代,次次世代の選手が、国際大会で目覚ましい活躍をするシーンも多くなっ

 

てきており、益々の盛り上がりが期待できます。

 

あの、躍動感、半端ないです・・・・。