フィリップ・トルシエとアーセン・ベンゲル。理想の追求か、現実路線か。

2002年日韓ワールドカップの代表監督を務めたフィリップ・トルシエは理詰めのヒトだった。

 

就任後初めの一年は、攻撃の練習は殆どなく、守備の練習が大部分だったという。

 

良く行われた練習は、テニスコートほどの長方形に11人を配置してのポジショニングの練習だった。

 

トルシエがボールを持って移動するのに選手たちが反応しチャージ、他の選手はそのカバ―をするというもの。

 

当時のトルシエの代名詞と言えば、「フラット・スリー」。

 

DFの3人が、ボールの位置、周りの状況に応じ、ラインの上下げを細かく行うもの。

 

ボールに味方がチャージしていれば守備ラインを上げ、誰もチャージしていないのであればラインを下げる。

 

その調整ラインも相手の直近攻撃陣から3メートル後方と厳格に決まっていたという。

 

その他では、誰がヘディングするかについて周囲の選手が指定する、バックステップをどう踏むかなど、事細かくマニュアル化されていたという。

 

トルシエは自分の理想を、現状とは関係なく理詰めで追及するタイプといえる。

 

 

一方、同じフランス人であるベンゲルはどうか。

 

以前ベンゲルが名古屋の監督をしていた時に“理想も大事だけど、現実的に対応するほうがもっと大事だ”といった旨の発言をしたのを覚えている。

 

つまり、ベンゲルは手持ちの選手の特性を見抜き、その長所を最大限生かす戦術を取ったほうが良いと言っているのである。

 

ベンゲルは日韓ワールドカップの代表監督の候補に挙がったこともあるが、アーセナルとの契約を理由に就任出来なかったのが非常に残念。

 

その代わりに代表監督に就任したのがトルシエだった。

 

ベンゲルのサッカーはスペクタクルで、ファンタスティック。見ていて飽きない。

 

■今日のつぶやき

 

今日はとても暖かい日でした。

このまま春に突入でもいいのですが、花粉症が気がかりです。

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