判断と決断の違いとは?
経営者は判断の連続
経営者の方は毎日なんらかの判断を強いられていると思います。
例えば、コピー機が古くなってきたから買い替えるか、それともリースでスペックの高いものにするか。
或いは、会社の車が小さいので、もっと荷物が載せられるようなバンタイプにするか、いっそのこと遠出も楽なようにSUVタイプにしようかな、など。
或いは、月に一度くらいは社員と飲み会をやるか、そうすれば社員が日頃考えていることも分かるし、自分の考えも上手く伝えることができるかもしれない。
会社の中も活性化するかもしれない。
大きなところですと、会社のオフィスを今はテナントとして借りているけれど、売上、利益ともに十分上がってきており、現金も溜ってきたし(借り入れても金利も安いから)、思い切って自社ビルを建てるか否か、という決断をすることもあるでしょう。
テナント賃料を払い続けるより自前で建てたほうが長い目で見るとメリットがある。減価償却費が経費になる。銀行借り入れの際に担保にできる。信用ができる。優秀な社員を採用できる。
車両、コピー機を買う、飲み会を開催するといった程度であれば、出ていくキャッシュも莫大ではないので、さほど悩まないと思います。
しかし、(会社の規模にもよるでしょうが)自社ビルを建てるというのは、その会社の将来に与えるインパクトはかなりのものです。
非上場のオーナー経営者さんであれば、取締役会も自分の意見が通りやすくなり、自分の判断で物事を進められます。
だからこそ、悩むのです。
自分の意思決定がそのまま会社の命運を左右するとなると、かなりの重圧です。
判断と決断はどう違うのか
よく思うことがあるのが、判断と決断の差です。
自分が思うに、「判断とは、合理的な考えに基づき、自分のメリット、デメリットを比較し、いくつかある方法のうち、いずれかを選択すること」。
一方、「決断とは、合理的な考えに基づき、自分のメリット、デメリットを比較し、いくつかある方法のうち、いずれかを選択し、それを行動に移し、その結果について自ら責任を取ること」であると思っています。
両者の違いは、自分の中では、行動に移すか否かが決定的に違います。
判断は精神的にも肉体的にもあまり負担はありません。
しかし、決断は両方に負担が来ます。
決断する時点では、それが最良の意思決定か分からないので、(自分の場合は)さして自信もありません。
判断から決断に至るまでに、時間的余裕があればまだいいのですが、決断を迫られる、といった場面に遭遇するとキツイでしょう。
僕も小さな会社を20年くらい経営しています。
なので、経営者の方の決断については、その重さは理解できます。
判断するというのは、いわば頭で考えて、それで完了みたいなところがあります。
しかし、決断とは頭で考え、選択したことを実行に移し、なおかつ、その結果を受け入れる責任が出てきます。
何度も何度も頭の中でシミュレーションしてイメージをリアルに膨らませ、条件を設定し、失敗した時どう対応するか、失敗した場合どれくらいの損失が出るのかをある程度把握する必要があります。
中には「失敗したらなんて、縁起でもない!」と頭から失敗した時の対応を考えない人もいますが、それは良くありません。
失敗した時の対応、セーフティネットを考えない意思決定は、ギャンブルとあまり変わらないのではないか、と思っています。
失敗した場合の自社(自分)の許容度を測定し、万一失敗しても、それに耐えられる財務基盤が必要です。
夢だけ見てはいけません。
もちろん、この「結果」については、良い結果もあれば、悪い結果もあります。
良い結果であれば、その決断をした自分を労い、自信をもって進んで行っていいと思います。
ただ、よい結果が出ても慢心せずに、なぜ成功したのか、その要因をさらに冷静に見ていく必要があります。
悪い結果であれば、何がいけなかったのか考え、整理し、次につなげなければいけません。
良い結果でも悪い結果でも、事業は続いていくので、絶えず、判断→決断→行動→評価・検証を繰り返していく作業は必須です。
優秀な経営者であれば既に無意識にやられていると思いますので、釈迦に説法なのですが…。
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今日のつぶやき
先日は、超早起き(4時45分起床)して、早朝セミナーに出席。
早朝の電車は空いていて、気持ちがいいですね。
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