西岡良仁選手のATPランキング躍進(64位)とデビスカップの思い出。

最近ネットで西岡選手がATPランキングで64位までランキングを上げていることを知りました。これは凄いことです。

 

僕が西岡選手を初めて知ったのは2016年デビスカップ・ワールドグループ入れ替え戦、対ウクライナ戦です。

 

場所は大阪の靭テニスセンター。

 

試合が行われたのは9月中旬でしたが、日差しがとても厳しく、半日を外のコートで観戦した僕は顔が焼けてしまい、夕方帰るころには、しっかり日焼けしていました。

 

どちらかというと小柄な体から繰り出すサウスポーのサーブは、正直それほどのスピードを感じたわけではありませんが、国別対抗戦という独特の雰囲気の中、まさに「気を吐くプレー」をしていたのです。

 

対戦相手はレスラーのような屈強な体をしているI・マルチェンコでしたが、6-4, 5-7, 6-4, 7-5の接戦で下し、この日の2勝目を挙げて勝利に大きく前進したのでした。

(デビスカップは、初日シングルス2試合、2日目にダブルス1試合、3日目は初日と違う組み合わせのシングルス2試合が行われ、3勝した国が勝利します。)

 

僕の目当ては、やはり錦織選手だったのですが、なんと怪我のため棄権というショッキングなニュースが当日のテニスコートでアナウンスされ、「あぁ、なんてことだ、何のためにわざわざ大阪まで来たのだ」と肩を落としたのです。

 

 

でも、いざ試合が始まってみると国別対抗戦という国の威信を賭けて戦うという責任感と、代表として戦うという誇りを前面に出してファイトする選手を目の当たりにして、自分の不見識を恥じたのでした。

 

彼らがカネのためにプレーしている訳で無いのは承知していたのですが、「カネなんかよりも遥かに大切な己の存在意義を賭けてコートに立っているということ」まで僕は理解していなかったからです。

 

普通のツアー戦であれば怪我を恐れて追わないであろうボールにも食らいつき、決して諦めない、簡単にポイントを献上しない。

 

此の先のゲームの流れを考え、とりあえず体力温存を優先し、ゲームを相手に取らせた方が戦略的に有利とわかっていても、それをしない。

 

まさに、そのポイントのことしか考えていないのが良く分かる試合でした。

 

こうした姿勢は、これに先立つダニエル太郎選手の試合でも全く同じでした。

 

また、日本のホームゲームだったのが相手のウクライナ代表には大きな負担になっているのは、観戦していて良く分かりました。

 

何故なら、凡ミスが多かったからです。相手にとって日本を応援する声援に囲まれて試合をするのがどれ程のプレッシャーなのか、目の前で見ていて感じることが出来ました。

 

 

そして、感心したのが日本人ファンのマナーの良いこと。

 

競っている試合で相手がサーブを打つときにブーイングをするのは世界標準で、よくあることですが、そうした失礼な態度は全くありませんでした。

 

相手側のサポーター(約20人くらい)は遠路はるばるウクライナから来ていたのですが、彼らが応援しているときでもブーイングなど一切なしの綺麗な応援でした。

 

こうした日本人のマナーの良さは、彼らが母国に帰ったときに日本への観方がポジティブに伝播することで、その効果は侮れないと感じました。

 

現在、錦織選手がATP6位、 西岡選手が同64位、ダニエル太郎選手が同75位と100以内に日本人選手が3人いることになります。

 

これはかなり期待の持てるランキングではないでしょうか。

 

 

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