やはり決めつけは良くない、「こうあらねばならない」など初めから存在しない
少し前に聞いた、テニスコーチの言葉が胸に残っています。
それは、「自分の打ち方を身につけないと本当にうまくはならない」という言葉です。
メンバーの一人がフォア・ハンドストロークの打ち方について、グリップの握りや打点など細かな質問をコーチに投げかけ、それらに回答した後にふとコーチの口から出た言葉です。
その言葉を聞いた時に僕は心の中で唸ってしまいました。流石だなと・・・。
その言葉を自分なりにかみ砕いてみると、次のようになります。
・基本は基本として大切ではあるが、その基本に執着しすぎると自分らしさを失う。
・例えばフォア・ハンドストロークであれば、打ち方はグリップの握り方で決まってくる。おのずと自分の握り方に合った打ち方をするようになるので、頭先行で打ち方を決めつけない。
・あるべき打ち方は予め決めつけられるものでなく、打っていく中で自然に決まっていく。
・理想の打ち方に固執しすぎると、ある程度まで「そこそこ上手くなる」けど、その人のポテンシャルを100%発揮するまでには至らない。
サーブであれフォアハンドであれ、インパクトのラケットの使い方とその後のフォロースルーは、プレイヤーが違っても実際にはそれほど違いはありません。
スピン系のフォアハンドなら、下からボールを擦るイメージは必要になりますし、フラット系ならボールの真後ろを引っ叩くイメージが大事になります。
ただ、一人ひとりで骨格、体の柔軟さ、筋肉の質などが異なるので、まったく同じ動きをできる訳ではありませんし、その必要も無い訳です。
ここで、先ほどのコーチの言葉が生きてくるのです。
「こう打たなくては、ダメ」という思考停止状態でプレイするのではなく、基本を押さえつつ、自分のスタイルを構築する必要性を説いているのです。
実際、テニスの打ち方の定石は、変化を遂げてきています。
ジミー・コナーズまでの「フラット系」、ビヨルン・ボルグからの「ゴリゴリスピン系」を経て、今ではフットっぽいスピン系が主流になっています。
サーブもしかりで、ボリス・ベッカーの「どフラット」、ステファン・エドベリの「キック・スピン系」、など栄枯盛衰、其の時々の流行りみたいなものがあります。
でも、どんな打ち方がもてはやされようが、大切なのは、思考停止して疑問なく受け入れることではなく、それらを咀嚼しつつ自分なりの打ち方を構築することなのだろう、と思っています。
あるべき答えを求めるのではなく、自分のスタイルを自分の身体感覚に従って作り上げる。
初めから到達点があるのではなく、気が付いたら、結果的にある場所に来ていたという感覚が大事なのだと思います。
ここまで書いて、何だ、“仕事も勉強も同じじゃん”と気づいてしまいました。
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