税制の歪みはいずれ解消される=国税庁が一部の“節税保険”の税務の取り扱いを見直し

少し古い(今年2月)話題になりますが、国税庁が経営者向け保険(法人が全額経費にできるもの)の税務の取り扱いを見直すと発表しました。

 

 

この生命保険はお金が戻ってくる返礼率が80%と高く、しかも全額が経費にできるとあって大きな人気商品となっていたようです。(僕は関与先に勧めたことが無いので。)

 

 

返戻率だけに着目すると払った分の80%が戻ってくるので、単純には-20%のキャッシュアウトで終わる(これだけでも凄い)のですが、税金の支払いまで考えるとこの保険の凄さが理解できます。

 

 

実際には法人税の支払いを少なく出来るので、その分資金の留保が可能となり、実質的返礼率は80%を軽く超えると考えられます。

 

 

保険料支払い時点で全額経費+後でお金が80%戻ってくる+法人税が安くなる(資金の歩留まりが良い=資金効率が良い)

 

 

こう考えると確かに魅力的な金融商品ですね。(現在は、販売停止です。)

 

 

 

 

支払ったお金を全額経費にできるのであれば、決算期が近い法人はいわゆる税金対策で、利益を圧縮できるので、こうした生保はかなり白熱した市場であったと推測します。

 

 

このニュースは、数年前に改正されたタワマンの固定資産税のルール改正を思い出させます。

 

 

改正前のタワマン上層階の固定資産税は、基本的に、「区分所有者の有する専有部分の床面積の割合が同じであれば、どの階層の住戸であるかに関係なく、各区分所有者の納付すべき固定資産税額は同額となります。」(全日本不動産協会平成29年度改正タワーマンションに係る固定資産税の取扱い)となっていました。

 

 

しかし、低層階より高い分譲価格の高層階と低層階が同じ税金とは、バランスがとれていないとなり、高層階の固定資産税が高くなるよう法律が改正されました。

 

 

情報の非対称による「歪み」がどんな分野にもあるように、税制にもそれがある場合があります。

 

それが看過できないほど人気化すると、その歪みは解消(税制改正)に向かいます。

 

 

 

やはり、会社も事業主も節税も大切ですが、それよりも長期的な成長がより重要だな、と改めて思いました。

 

 

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